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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻11号

2001年10月発行

症例報告

HIV感染者に生じたpruritic papular eruption

著者: 野崎重之1 芦刈栄一1 児島壮一1

所属機関: 1公立昭和病院皮膚科

ページ範囲:P.849 - P.851

文献概要

 32歳,男性のhuman immunodeficiency virus(HIV)感染者.3か月前に生じて拡大した,ほぼ全身性の瘙痒性皮疹で受診した.初診時,ほぼ全身に融合傾向の強い小紅斑・丘疹が多発し,小結節が散在性に認められた.激しい瘙痒があった.表在性リンパ節を触知した.組織学的には,真皮の血管,毛包周囲性にリンパ球と好酸球の強い浸潤がみられ,膠原線維束間に脱顆粒を生じた好酸球が認められた.また,小血管内の血栓形成や赤血球の血管外漏出が認められた.ステロイド外用剤と抗ヒスタミン剤を投与したが,皮疹は軽快せず,プレドニンを追加したところ皮疹は徐々に軽快した.初診3か月半後,視野狭窄のため眼科を受診し,サイトメガロウイルス感染症を疑われ,血液検査でHIV感染陽性,CD4 0.18/μlであった.この時点でpruritic papular eruption(PPE)と診断しえた.その後,本症例にはHIV—associated eosinophilic folliculitis(HIV-AEF)と考えられる瘙痒性膿疱が生じている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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