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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻11号

2001年10月発行

文献概要

症例報告

冠動脈interventional radiology(IVR)による慢性放射線皮膚炎

著者: 原弘之1 岡田知善1 落合豊子1 森嶋隆文1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.852 - P.854

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 59歳,男性.左上背部の潰瘍を筆者らは褥瘡と診断し,漫然と治療していた.初診2年6か月後,潰瘍周囲がpoikilodermaの様相を呈していたため,慢性放射線皮膚炎と診断,患者の治療歴を再検討したところ,心筋梗塞の治療のため,初診8か月前まで複数回の冠動脈造影や冠動脈interventional radiology(IVR)が施行されていた.総被爆線量は約12Gyに及んでおり,ことに背部左側からのX線照射が長時間であったことから,原因がIVRによることが判明した.原因不明の潰瘍や限局性強皮症様の皮疹が上背部や側胸部に生じた例では,常にIVRとの関連性を考慮に入れる必要があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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