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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻11号

2001年10月発行

文献概要

症例報告

Churg-Strauss症候群の1例

著者: 岡本玲子1 水嶋淳一1 川島眞1 松村美由起2 近藤裕美2 竹内恵2 工藤忍3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学神経内科 3工藤整形外科皮フ科

ページ範囲:P.859 - P.862

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 75歳,男性.1年前に気管支喘息を指摘され,初診の5日前に腰臀部,四肢に紫斑が生じ,続いて発熱,左握力低下,前頸部および腋窩から体幹までの疼痛,右趾のしびれ感,足背の浮腫が出現した.末梢血白血球数,好酸球数,IgE値,ECP値はいずれも高値で,初診の翌日には下腹,腰臀部に浮腫性紅斑も出現した.紫斑の組織像では真皮上層の血管周囲に著明な好酸球の浸潤を認めた.初診の3日後には左趾のしびれ感,左下肢の筋痛,左尺骨神経麻痺,左下垂足などの症状が出現し,多発性単神経炎と診断,神経生検にて周囲に好酸球の浸潤を伴う肉芽腫性血管炎の像を認めた.神経症状が急速に進行したため,ステロイドパルス療法を施行した.その後,プレドニゾロンとシクロホスファミドの内服を継続し,皮疹は速やかに消退したが,神経症状の一部は残存した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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