文献詳細
症例報告
文献概要
患者は67歳,女性.C型肝炎の経過中,両下腿に斑状あるいは丘疹状の紫斑および褐色の色素沈着を多数認めた.病理組織学的に,真皮の血管周囲にリンパ球の浸潤,赤血球の血管外漏出を認め,一部の血管の内腔は好酸性に染まる無構造物質により狭小化していた.血清中のHCV抗体陽性,HCV-RNA陽性,クリオグロブリン陽性であった.免疫電気泳動ではモノクローナルなIgM—κとポリクローナルIgGの混合性クリオグロブリンが認められ,II型のクリオグロブリン血症と診断した.HCV感染とクリオグロブリン血症との関連について若干の考察を行った.
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