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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻11号

2001年10月発行

文献概要

症例報告

若年成人の皮膚筋炎—家族性大腸ポリポーシスとその癌化が見いだされた1例

著者: 菊池麻紀1 斎藤史緒1 平田順子1 栗村理恵1 繁益弘志1 原田敬之1 加藤博之2 梶原哲郎2

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科 2東京女子医科大学附属第二病院外科

ページ範囲:P.880 - P.882

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 26歳,女性.1998年5月,顔面に瘙痒性紅斑が出現したため来院.以後,皮疹は急速に増悪し,ヘリオトロープ疹,ゴットロン徴候が相次いで出現.胸・背部の広範囲に多形皮膚萎縮を呈してきた.病理組織学的には表皮の萎縮,基底層の液状変性,真皮上層の浮腫,血管周囲の炎症細胞浸潤を認めた.血液検査上,抗核抗体陽性.筋原性酵素は日ごとに上昇,皮疹出現約1か月後には筋症状が出現し,筋電図上,筋原性変化を示した.皮膚筋炎の診断のもと内臓悪性腫瘍の有無を精査したところ,大腸に無数のポリープを認め,遺伝子検索結果と合わせて家族性大腸ポリポーシスの存在が明らかとなった.皮膚筋炎症状の急速な進展に対しプレドニゾロン(PSL)60mg/日の内服を開始し,12.5mg/日まで漸減した段階で大腸切除術を施行.病理標本上,103個以上のポリープ中1個のポリープに癌化が見いだされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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