臨床皮膚科55巻11号

2001年10月発行

治療

顔面に生じた巨大な基底細胞上皮腫—側頭筋膜弁を用いて再建した1例

著者： 東芝輝臣¹ 冨田浩一² 深水秀一³ 山中克二⁴ 田中正人⁵ 戸倉新樹⁶

所属機関： ¹藤枝市立総合病院皮膚科 ²静岡県立総合病院皮膚科 ³県西都浜松医療センター形成外科 ⁴県西都浜松医療センター皮膚科 ⁵島田市民病院皮膚科 ⁶浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲：P.900 - P.902

　50歳，男性．左耳介下部に65×85mmの紅色腫瘤があり，中央部は潰瘍化し，周堤を伴っていた．生検にて基底細胞上皮腫と診断し，画像診断，深部は耳下腺と接していた．耳下腺浅葉を含めて腫瘤を切除し，側頭筋膜弁と遊離植皮を用いて再建した．術後，Frey症候群などの合併症はみられず，機能的，整容的に良好な結果が得られた．