icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

症例報告

フッ化水素酸による化学熱傷の1例

著者: 栗原和久1 藤本和久1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.929 - P.931

文献購入ページに移動
 27歳,男性.初診の前日,両足底に疼痛,紅斑,腫脹が出現.初診時,両足底に紅斑と浸軟した白色調の水疱が認められ,激しい疼痛を伴っていた.化学熱傷を疑ったが患者にはまったく覚えがなく,警察の調べで,患者と同じアパートの住民が患者の靴にフッ化水素酸を注入していたことが判明した.塩化ベンザルコニウム洗浄,デブリードマン,グルコン酸カルシウム4回局注で深部への浸透が停止した.1か月後,一部潰瘍を残し上皮化した.フッ化水素酸が凶器として犯罪に使われた例は過去になく,確定診断に苦労した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?