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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

症例報告

表皮細胞間にIgGの沈着を認めた類天疱瘡

著者: 岸本和裕1 尾山徳孝1 岩月啓氏1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.950 - P.952

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 43歳,女性.約4か月前より癌痒を伴う多形紅斑様皮疹が,その6週後より緊満性水疱が出現した.病理組織学的に表皮下水庖,細胞間浮腫および好酸球を伴う炎症性細胞浸潤がみられた.蛍光抗体直接法では基底膜部にIgG,C3の線状沈着と表皮細胞間にもIgGの沈着を認めた.1mol/l NaCl処理正常ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では,表皮側にIgGの沈着を示したが,表皮細胞間は陰性であった.そこで,患者血清中で正常表皮をexplant cultureしたところ,表皮細胞間にIgGの沈着を認めた.免疫プロット法では,患者血清は表皮抽出液の230kD,180kD蛋白のみだけでなく,200kD付近の蛋白とも反応した.また,ELISA法による抗デスモグレイン1,3抗体価のインデックス値は正常範囲内であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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