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症例報告
多発性陰唇粉瘤症の1例
著者: 戸崎裕子1 藤広満智子1
所属機関: 1揖斐総合病院皮膚科
ページ範囲:P.964 - P.966
文献購入ページに移動 57歳,女性.数年前より外陰部の多発性腫瘤に気づいていたが,自覚症状がないため放置していた.最近,数の増加が気になり当科を受診した.大陰唇から一部会陰にかけて米粒大〜小豆大のやや黄白色を呈する弾性硬の皮下結節を十数個認めた.その中の1つを局麻下で全摘したところ,組織学的には表皮からなる壁を有し,内腔に層状の角化物質を含む表皮嚢腫であり,以上より多発性陰唇粉瘤症と診断した.男性の陰嚢に粉瘤が多発する症例は数多く報告され,多発性陰嚢粉瘤症としてよく知られているが,それに比べて発生学的に男性の陰嚢に相当する大陰唇に粉瘤が多発する症例は少ない.本邦では調べえた限り本症例を含めてわずか6例のみであった.
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