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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

症例報告

両乳頭に組織学的に明澄細胞を認めたdouble extramammary Paget's diseaseの1例

著者: 木根淵明1 蘇原雅明1 山崎智徳1 村下理1 山蔭明生1 山崎雙次1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.977 - P.980

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 76歳,男性.外陰部の紅斑を主訴に当科受診.皮膚生検より乳房外Paget病と診断.アポクリン腺存在部位である腋窩,乳頭,臍部,肛囲の無疹部皮膚生検を施行し,組織学的に左腋窩部にPaget細胞を認めた.両乳頭にもPaget細胞に類似した明澄細胞がみられたが,PAS染色などの結果から,Tokerらが提唱したclear cell of nipple epidermisと考えた.当教室の乳房外Paget病22例中,無疹部にも組織学的にPaget細胞が確認された症例は3例(13.6%)であったことから,腋窩,乳頭などに多発する症例は潜在的にかなり多いと考えられる.乳房外Paget病では皮疹を認めなくともアポクリン腺存在部位については皮膚生検を行うべきあると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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