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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

症例報告

先天性母斑上に生じ,黒色腫関連性白斑を伴った悪性黒色腫の1例

著者: 早川祐子1 石地尚興1 上出良一1 新村眞人1 牧野弘和2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2津田沼皮膚科

ページ範囲:P.981 - P.984

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 62歳,女性.生下時より右大腿外側面に黒褐色斑が存在していた.1996年頃より黒褐色斑の中心に黒色腫瘤が出現し,同時期より黒褐色斑の色調が灰褐色調となってきた.1998年,黒色腫瘤より出血を認め,当科を受診した.先天性母斑上に生じた悪性黒色腫と診断し,黒色腫瘤より3cm離し灰褐色斑を含めて切除し,同時に右鼠径リンパ節郭清術を施行した.病理組織所見は灰褐色斑部では真皮内に母斑細胞の集簇を,腫瘤部では異型メラノサイトの胞巣状増殖を認めた.HMB−45染色では異型メラノサイトのみ陽性,S—100染色では母斑細胞と異型メラノサイトの両者で陽性であった.病期はstageII(PT3aM0N0).Feron DAV 2クール目の化学療法後より眼囲,背部に鶏卵大までの白斑が出現し,黒色腫関連性白斑と診断した.蛍光抗体直接法,間接法による抗メラノサイト抗体,抗メラニン抗体の検索を行ったが,すべて陰性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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