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海外生活16年—出会った人・学んだこと・11
著者: 神保孝一1
所属機関: 1札幌医科大学皮膚科
ページ範囲:P.989 - P.989
文献購入ページに移動ハーバード大学医学部皮膚科学講座におけるレジデントの研修(その3)
Ellias教授,Edelson教授のレジデント時代
Dr Peter Elliasも極めて興味深いレジデントであった.彼はNIHで最初の研修を受け,その際,電子顕微鏡学的研究についてのトレーニングを受けた.その後MGHにレジデントとしてきたのであるが,Fitzpatrick教授が彼を私に紹介する際に,今後世界の皮膚科学における基礎生物学,ことに皮膚の電子顕微鏡学的研究における第1人者となるべき男であるといわれた.Peterは私自身も電子顕微鏡学的研究に興味を持っていることをすでに知っており,お互いに仕事上で競合すること,また比較されることを嫌い,研究の方向を変えるといって,今まで研究をしていなかった皮膚吸収に興味を示し,Dr H BIankとDr RJ Scheuplein(後にワシントンのFoods andDrug RegistrationのTechnologica1 Sciences-deputy directorへ転向)の指導を受けた.従来,皮膚吸収の研究はPhD出身の研究者がphysicsを用いた研究を行うことによりなされていたが,彼はこういった従来の仕事に生物学と生化学および電子顕微鏡学的手法を加え,多くの新しい知見を発表していった.現在,彼は皮膚吸収および皮膚角層の研究では世界的第1人者である(現在,カリフォルニア大学医学部皮膚科の副主任教授).
ワシントンで開かれた2001年第62回SIDの学会の特別講演の1つにWilliam Montagna Lectureshipがあった.LectureshipのMontagna賞は,若い現役の研究者に授与される極めて名誉のある賞である.Dr Elliasは第62回SIDで同賞の受賞者に選ばれ,「皮膚細胞の構造と機能」という講演を行った.この日は研究者としての彼にとって最も記念すべき名誉の日であった.
Ellias教授,Edelson教授のレジデント時代
Dr Peter Elliasも極めて興味深いレジデントであった.彼はNIHで最初の研修を受け,その際,電子顕微鏡学的研究についてのトレーニングを受けた.その後MGHにレジデントとしてきたのであるが,Fitzpatrick教授が彼を私に紹介する際に,今後世界の皮膚科学における基礎生物学,ことに皮膚の電子顕微鏡学的研究における第1人者となるべき男であるといわれた.Peterは私自身も電子顕微鏡学的研究に興味を持っていることをすでに知っており,お互いに仕事上で競合すること,また比較されることを嫌い,研究の方向を変えるといって,今まで研究をしていなかった皮膚吸収に興味を示し,Dr H BIankとDr RJ Scheuplein(後にワシントンのFoods andDrug RegistrationのTechnologica1 Sciences-deputy directorへ転向)の指導を受けた.従来,皮膚吸収の研究はPhD出身の研究者がphysicsを用いた研究を行うことによりなされていたが,彼はこういった従来の仕事に生物学と生化学および電子顕微鏡学的手法を加え,多くの新しい知見を発表していった.現在,彼は皮膚吸収および皮膚角層の研究では世界的第1人者である(現在,カリフォルニア大学医学部皮膚科の副主任教授).
ワシントンで開かれた2001年第62回SIDの学会の特別講演の1つにWilliam Montagna Lectureshipがあった.LectureshipのMontagna賞は,若い現役の研究者に授与される極めて名誉のある賞である.Dr Elliasは第62回SIDで同賞の受賞者に選ばれ,「皮膚細胞の構造と機能」という講演を行った.この日は研究者としての彼にとって最も記念すべき名誉の日であった.
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