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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科55巻13号

2001年12月発行

雑誌目次

カラーアトラス

ナイロンタオルの使用により生じたと思われるアミロイド苔癬

著者: 田村政昭 ,   大西一徳 ,   石川治

ページ範囲:P.998 - P.999

 患者:24歳,女性.
 初診:1998年2月6日.

原著

両腋窩に生じた基底細胞癌—旭川医科大学皮膚科およびその関連施設における基底細胞癌の集計

著者: 柏木孝之 ,   和田隆 ,   浅野一弘 ,   山本明美 ,   橋本喜夫 ,   飯塚一

ページ範囲:P.1001 - P.1004

 50歳,男性.両腋窩に生じた表在型基底細胞癌の1例を報告し,合わせて1978年6月から1998年5月までの20年間に旭川医科大学皮膚科およびその関連施設で基底細胞癌と診断された255症例,273病変について集計した.男女比は1:1.2で,50歳以上が93.2%を占めた.発生部位は顔面が最も多く75.8%であった.組織型では充実型が57.4%を占め,充実型との混合型も含めると70.3%となった.腋窩を含む躯幹・四肢に限ってみると,表在型の頻度が相対的に高くなり46.4%にみられた.多発型は4症例,18病変にみられ,色素性乾皮症,放射線皮膚炎各1例以外は明確な基礎疾患は認められなかった.全体を通じ腋窩発生例は2症例,3病変のみで,特に両側性のものは本邦報告例中にも見当たらず,極めて稀な症例と思われた.

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が分離された伝染性膿痂疹の臨床的検討

著者: 三井田博 ,   冨樫きょう子 ,   田中英一郎 ,   猪俣成美 ,   伊藤雅章 ,   若山正隆

ページ範囲:P.1005 - P.1007

 2000年6〜9月の伝染性膿痂疹患者98例の細菌培養と薬剤感受性試験を行った.92例から菌が分離され,89例が黄色ブトウ球菌で,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が全分離菌の30.4%を占めた.MRSAに対しても感受性の高い抗生剤はミノサイクリン,レボフロキサシンとホスホマイシンであった.本症の治療で,ときにMRSAに有効な内服薬を最初から選択することもあるが,全分離菌の約6割がセフェム系抗生剤に高感受性で,またセフェム系内服薬とMRSAに有効な外用剤の併用によりMRSA分離例でも約3割は治癒する.初診時に細菌培養・薬剤感受性試験を行い,4〜5日後に改善傾向がない場合に,有効な内服薬に変更すればよいと考えた.

今月の症例

Garlic burnの1例

著者: 伊津野緑 ,   五十棲健

ページ範囲:P.1008 - P.1009

 ニンニクの一次刺激による急性接触皮膚炎(garlic burn)の1例を報告する.おろしたニンニクをガーゼに伸ばして下腿に貼付したところ,貼付部に一致して紅斑を生じ,初診時には第2度熱傷様の皮膚潰瘍を形成していた.上皮化には約4週間を要した.ニンニクの主要なアレルゲンであるdiallyl disulfideのパッチテストおよびニンニクによるIgE RASTはともに陰性であった.

症例報告

金属冠除去により皮疹の軽快をみた肉芽腫性口唇炎の1例

著者: 吉田亜希 ,   松田真弓 ,   前田文彦 ,   赤坂俊英 ,   浅野明子

ページ範囲:P.1011 - P.1013

 59歳,女性の歯科金属冠除去により改善を示した肉芽腫性口唇炎の1例を報告する.下口唇から下顎にかけて硬結性腫脹を認め当科を受診.血中ACE,リゾチームは正常,ツ反(+),両側肺門リンパ節腫脹(BHL)はなかった.病理組織所見では真皮全層に主に類上皮細胞,リンパ球よりなる非乾酪性肉芽腫を認めた.口腔内に多数の金属冠と根尖病巣を有したことから,金属パッチテストを施行し,Ni, Zn, Crに陽性を示した.金属パッチテスト陽性の金属冠を除去したところ,約1か月後より下顎腫脹の軽快をみた.本例では金属アレルギーが本症の発症に関与していると考えられた.

特異な臨床像を呈したvesicular pemphigoid—血漿交換療法施行例

著者: 岸本和裕 ,   尾山徳孝 ,   岩月啓氏 ,   金子史男

ページ範囲:P.1014 - P.1016

 55歳,男性.約3か月前より背部に瘙痒を伴う皮疹が出現し,徐々に全身に拡大した.Duhring疱疹状皮膚炎様の皮疹を呈し,病理組織学的に表皮下水疱,好酸球浸潤がみられた.蛍光抗体直接法では表皮真皮境界部にIgG, C3の線状沈着を,1mol/l NaCl処理正常ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では表皮側にIgG, C3の沈着を認めた.免疫ブロット法では患者血清は表皮抽出液の230kD, 180kD蛋白のみだけでなく,210kD付近の蛋白とも反応した.また,経過中一過性に手背,足背の水疱の治癒した部位に一致して過角化を伴う乳頭腫状の局面を認め,乾癬様の組織像を呈した.特異な臨床像を呈したvesicular pemphigoidと考えた.

丹毒様皮疹を呈した深在性エリテマトーデスの1例

著者: 梅垣知子 ,   菊池康 ,   板井恒二 ,   矢口直 ,   佐々木千秋 ,   玉井克人 ,   橋本功

ページ範囲:P.1017 - P.1019

 21歳,女性.初診約2か月前より37℃台の発熱と両頬部に疼痛を伴う紅斑が出現.ASO高値を示しており,丹毒の診断にて抗生剤を投与されたが難治なため,当科を紹介受診した.入院後,皮膚生検で小葉性脂肪織炎の病理組織像を呈し,抗核抗体640倍と高値であったことから,深在性エリテマトーデスと診断し,ステロイドの内服・外用による治療を開始したところ,皮疹・発熱ともに軽快した.ASO高値を示した原因は特定できなかったが,自験例は経過,抗核抗体高値と病理組織像から,ごく初期の深在性エリテマトーデスと考えられた.

Intravenous pyogenic granuloma

著者: 古田淳一 ,   梅林芳弘 ,   下釜達朗

ページ範囲:P.1020 - P.1022

 52歳,女性.左側頸部に径1cm大の皮下結節あり.上下方向に走行する索状物と癒着していた.病理組織学的に静脈と思われる管腔構造の内腔に突出する腫瘤を認めた.腫瘍の表面は1層の扁平な細胞に覆われ,内部はアルシアンブルー陽性の粘液性の間質中に島嶼状の細胞集塊と拡張した毛細血管が多数認められた.腫瘍細胞の異型性,乳頭様増殖,血栓形成はなく,intravenous pyogenic granulomaと診断した.

Leukocytoclastic vasculitisの皮膚生検像より診断に至ったWegener肉芽腫症の1例

著者: 北島康之 ,   宮一朗

ページ範囲:P.1023 - P.1025

 先行した皮膚症状の検索の結果,Wegener肉芽腫症と診断された1例を報告し,本症の治療と予後について考察する.症例は76歳の男性.上強膜炎にて治療中.初診の2か月前に小脳梗塞にて脳外科に入院.その後微熱,CRP高値,胸部異常陰影,紫斑,丘疹が出現してきた.皮膚生検にてleukocytoclastic vasculitisの像を認め,C-ANCA陽性よりWegener肉芽腫症と診断した.

眼症状を伴ったアレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)の1例

著者: 安田貴恵 ,   信藤肇 ,   波多野裕二 ,   保澤総一郎 ,   野間一列

ページ範囲:P.1027 - P.1030

 48歳,女性.気管支喘息のため近医で加療中であった.1998年7月,重度の喘息発作に続き,手指から前腕,下腿に小豆大までの紫紅色丘疹が出現した.また発熱,関節痛や下肢のしびれを生じ,左眼の視野狭窄,視力低下を自覚するようになった.検査結果では,好酸球増多,IgE増加,RA因子陽性,P-ANCA高値を認め,左眼は毛様網膜動脈閉塞症に伴う網膜の白濁がみられた.組織学的に真皮全層から脂肪織へ多数の好酸球,好中球の浸潤および核破砕片を伴う血管炎を認めアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断した.プレドニゾロン60mg/日の内服を開始し,臨床症状,検査所見は速やかな改善がみられたが,視力の回復は困難であった.

Cytophagic histiocytic panniculitisの1例

著者: 太田智秋

ページ範囲:P.1031 - P.1033

 17歳,女性.PCR法でEBウイルスDNAを組織中に確認したcytophagic histiocytic pan—niculitisの1例を報告する.両側大腿部外側,左下腿内踝上部のほか,右臀部には巨大な板状の硬結性紅斑を認め,圧痛と熱感が著明であった.病理組織学的に,皮下の脂肪小葉間にリンパ球の密な浸潤がみられ,lobular panniculitisの像を呈するとともに,細胞核やその断片,あるいは赤血球を貪食した組織球,いわゆるbean-bag cellが散見された.免疫組織化学的には浸潤リンパ球のほとんどはTリンパ球であった.血液検査ではDダイマー,FDPの上昇など出血傾向とLDH,フェリチンの上昇を認め,腹部CTでは肝・脾腫大がみられたが,プレドニゾロン15mg/日より内服を開始し,いずれも徐々に改善され寛解状態に至った.

Eccrine syringofibroadenomaの1例

著者: 江守裕一 ,   稲積豊子 ,   木村俊次

ページ範囲:P.1034 - P.1036

 55歳,女性.初診の約5〜6年前より左足外縁部にときに滲出を伴う局面が出現し漸次増大.初診時,15×10mm,境界明瞭な類円形で,周囲に環状の鱗屑を伴う紅色局面を認めた.汗孔角化症やBowen病などを疑い皮膚生検を施行.組織学的に著明な角質増殖と不規則な表皮肥厚を示す被覆表皮,連続性に管腔形成を伴う索状・網状の腫瘍細胞増殖を認め,典型的と考えられた.臨床的にもeccrine syringofibroadenomaに特有の所見といえ,臨床診断も可能と考えられた.

表皮嚢腫より発生した有棘細胞癌の1例

著者: 寺澤直子 ,   奥田良治

ページ範囲:P.1037 - P.1039

 39歳,男性.15年前より左臀部に皮下腫瘤が存在し,徐々に増大してきたため当科を受診.初診時,左臀部に8×7cm大の皮下腫瘤を認めた.組織は嚢腫様構造を呈し,嚢腫壁は顆粒層を有する正常な表皮様構造の部分と,異型性を有する有棘細胞様細胞が真皮内および嚢胞内に増殖している部分が連続して認められ,表皮嚢腫より発生した有棘細胞癌と診断した.明らかなリンパ節転移は認めなかった.本邦報告47例を検討し,その臨床的特徴について若干の統計的考察を加えて報告する.

Unilateral axillary Paget's diseaseの1例

著者: 矢島麻弓 ,   弓立史善 ,   小笠伸二 ,   北村啓次郎 ,   鈴木正

ページ範囲:P.1040 - P.1042

 78歳,男性.左腋窩に淡紅色斑とその周囲に脱色素斑を,右腋窩にも軽度の脱色素斑を認めた.組織学的には左腋窩のみにやや大型で胞体の明るいPaget細胞を認めた.腫瘍細胞はCEA染色,PAS染色,レクチンDBA, WGA, Con A染色で陽性を示した.腋窩の紅斑を湿疹や真菌症として加療し,経過が思わしくない場合はPaget病を疑い,積極的に皮膚生検を施行し,確定診断をつけることが大切と思われた.

7歳女児の内踝部に生じたsuperficial spreading melanoma in situの1例

著者: 矢鳴英子 ,   薄木晶子 ,   上田正登 ,   市橋正光

ページ範囲:P.1044 - P.1047

 7歳,女児.約半年前より右足関節内側に点状のやや赤み帯びた黒色斑が出現,自覚症状なく徐々に拡大し,周辺に浸み出し様の色素斑を伴う9×6mmの軽度隆起した黒色斑となり当科紹介受診.生検でsuperficial spreading melanoma(SSM)in situと診断,拡大切除術を行った.術後2年4か月経過した現在,再発,転移を認めていない.小児malignant melanoma(MM)は非常に稀で,巨大色素性母斑を発症母地とするものが多いが,半数以上は前駆病変なしに発症している.鑑別診断としてはSpitz nevusがある.小児MMが疑われた場合は早急かつ積極的な治療が必要である.

左側の乳癌を合併した左腋窩異所性乳癌の1例

著者: 鈴木眞理 ,   小関光美 ,   渡辺哲朗 ,   関東裕美

ページ範囲:P.1048 - P.1051

 47歳,女性.左腋窩の拇指頭大,硬い皮内腫瘤を主訴に当科受診.同部の超音波検査で深部にリンパ節の腫大あり.触診,超音波検査上,乳房には異常なし.皮内腫瘤の摘出生検にて,病理組織学的に,辺縁に正常乳腺組織を認める乳頭腺管癌であり,リンパ節転移を伴う異所性乳癌と診断した.2か月後,左乳房切除術を施行し,乳癌の合併を認めた.

術後10年を経て皮膚転移を生じた乳癌の1例

著者: 山下周子 ,   吉岡啓子 ,   十倉寛治 ,   田中勲

ページ範囲:P.1052 - P.1054

 71歳,女性.初診10年前の1988年7月,左乳癌のため当院外科で左乳房拡大切除術を施行した.その後,抗癌剤を投与して,経過観察中であった.1998年1月より胸部瘢痕部周辺に結節が出現し,生検では左乳房の所見と同様に,管腔形成の異型細胞巣を認めた.合計50Gyの放射線治療で一時縮小し,皮膚転移後3年2か月を経過し,現在も通院中である.

神経線維腫症2に合併したmalignant schwannomaの1例

著者: 松尾光馬 ,   谷戸克己 ,   澤田俊一 ,   本田まりこ ,   新村眞人 ,   青木照明

ページ範囲:P.1055 - P.1058

 21歳,女性.患者の父親は皮膚神経線維腫の切除歴があること,カフェオレ斑が認められたとのことよりRecklinghausen病と診断されていたが,第8脳神経より生じた腫瘍で死亡しているため神経線維腫症2であったと推察された.患者皮膚には神経鞘腫が,頭部MRIでは両側聴神経腫瘍がみられた.さらに初診の約半年前から臍右下方に手拳大の圧痛を伴う弾性硬の腫瘤を触知するようになった.腫瘍の割面は全体的に黄色調であり,中心部は壊死に陥り嚢腫状を呈していた.HE染色像では,クロマチンに富んだ紡錘形の核を有する腫瘍細胞が密に増殖し,ところどころに束状配列を呈していた.また核の大小不同がみられ,S−100蛋白染色は陽性であった.以上のことより摘出腫瘤をmalignant schwannomaと診断した.

皮膚原発B細胞リンパ腫の1例

著者: 小芦雄介 ,   苅谷清徳 ,   西尾栄一 ,   辻卓夫 ,   三浦和久

ページ範囲:P.1059 - P.1061

 66歳,男性.初診の約2か月前に右下腿の紅色丘疹に気づき,徐々に増大したため近医を受診し,生検で悪性リンパ腫と診断されたため,当科に紹介された.検査の結果,皮膚原発のdif—fuse large B-cell lymphoma,I E期と診断し,CHOP療法3クール,放射線照射にて治療した.

連載

Clinical Exercises・105—出題と解答

著者: 小澤明

ページ範囲:P.1051 - P.1051

209
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(いわゆる感染症新法,1999年4月1日施行)において,報告が義務づけられた疾患はどれか(指定病院における定点把握の対象疾患を除く).
①ツツガムシ病

海外生活16年—出会った人・学んだこと・12

著者: 神保孝一

ページ範囲:P.1069 - P.1069

ハーバード大学医学部皮膚科学講座におけるレジデントの研修(その4)
Dr A Sober教授と色素性疾患クリニック
 Fitzpatrick教授の主たる研究分野は色素性疾患である.これにはメラニン生合成,先天性・後天性色素性異常症の病態の解明と治療法の確立,さらには悪性黒色腫(メラノーマ)の病態・診断・治療法の開発である.1969年に皮膚病理のClark教授,外科のRaker教授との共同により,MGHに色素性疾患クリニック(Pigment Lesion Clinic)が開設された.このクリニックの主眼は,もちろんメラノーマであったが,開設当初はあまりメラノーマ患者の外来受診は多くなかったと聞く.しかしその後,一般人へのキャンペーン,さらには報道機関などを通じての広報活動を行った結果,毎年うなぎのぼりに外来受診患者が増えていった.この中で良性・悪性色素性腫瘍の臨床的鑑別診断法のクライテリアも確立された.
 Sober教授は1972年にMGHにレジデントとしてこられてから,常にこの色素性疾患クリニックの運営にかかわってきた.レジデント終了後,彼は私と同じ時期(1974年)にハーバード大学の助手となり,私の研究の臨床患者の臨床データの追跡調査などに関し常に側面から積極的に応援してくれ,現在も友人として親しく付き合っている.

治療

アテロコラーゲンスポンジを使用した糖尿病性壊疽の治療

著者: 松原きみ子 ,   磯田憲一 ,   西口健 ,   山田詠剛 ,   水谷仁 ,   鈴木啓之 ,   田川新生 ,   谷奥卓郎

ページ範囲:P.1063 - P.1065

 85歳,女性.2000年1月,右第5趾外側に15×12mmの腱および中節骨に達する潰瘍を形成.足関節上腕動脈血圧比(API)0.94,空腹時血糖221mg/dl, HbA1c 9.1%,尿糖6.82g/日.動脈造影では右膝下動脈以下に閉塞性動脈硬化症(ASO)あり.血糖コントロールとプロスタグランジンE1製剤の静脈内投与にて潰瘍は約6週間で肉芽を形成し,プロスタンディン軟膏®を外用するが,その後8週間潰瘍は縮小せず上皮化もしなかった.アテロコラーゲンスポンジ(ペルナック®)を貼付したところ,潰瘍が収縮を開始し8週間で瘢痕治癒した.1年後の現在,再発をみない.糖尿病患者の皮膚潰瘍では,線維芽細胞のコラーゲン産生やコラゲナーゼ活性が低下しているために創収縮が遅延していると考えた.本法は従来の植皮母床としての肉芽形成の目的ではなく,コラーゲンマトリックス形成による創収縮を図るという新しい使用法と思われた.

印象記

「第41回ドイツ皮膚科学会総会」印象記

著者: 川久保洋

ページ範囲:P.1066 - P.1068

 ドイツ皮膚科学会総会は2年に一度開催され,臨床から最近の皮膚科学研究まで広範にわたる分野について講演が行われる.今回,慶應義塾大学の西川武二教授とともにドイツの首都・ベルリン(図1)で開催された第41回総会に出席の機会を得たので,ここに報告したい.
 今回の出席者の総数は2,500名あまりで,その大半はドイツ語圏および東ヨーロッパからのものである。ドイツ皮膚科学会自体の名称はDeutsche dermatologische Gesellschaft(略称DDG)だが,この学会はVereinigung Deutsch—sprachiger Dermatologenという別の名前を持っており,そのことからも推し量られるように,単にドイツにとどまらず,スイス,オーストリア,そしてドイツ皮膚科学と縁の深いハンガリー皮膚科学会をも内包している会である.字義のままに解釈すれば“ドイツ語を話す皮膚科医の会”だが,実態は“ドイツ語を母国語とするか,少なくとも第1外国語として頻用する皮膚科医の会”といったところだろう.

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臨床皮膚科 第55巻 事項索引

ページ範囲:P. - P.

臨床皮膚科 第55巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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