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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

原著

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が分離された伝染性膿痂疹の臨床的検討

著者: 三井田博1 冨樫きょう子2 田中英一郎1 猪俣成美2 伊藤雅章1 若山正隆3

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻細胞機能講座皮膚科学分野 2木戸病院皮膚科 3木戸病院診療技術部細菌室

ページ範囲:P.1005 - P.1007

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 2000年6〜9月の伝染性膿痂疹患者98例の細菌培養と薬剤感受性試験を行った.92例から菌が分離され,89例が黄色ブトウ球菌で,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が全分離菌の30.4%を占めた.MRSAに対しても感受性の高い抗生剤はミノサイクリン,レボフロキサシンとホスホマイシンであった.本症の治療で,ときにMRSAに有効な内服薬を最初から選択することもあるが,全分離菌の約6割がセフェム系抗生剤に高感受性で,またセフェム系内服薬とMRSAに有効な外用剤の併用によりMRSA分離例でも約3割は治癒する.初診時に細菌培養・薬剤感受性試験を行い,4〜5日後に改善傾向がない場合に,有効な内服薬に変更すればよいと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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