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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

症例報告

金属冠除去により皮疹の軽快をみた肉芽腫性口唇炎の1例

著者: 吉田亜希1 松田真弓1 前田文彦1 赤坂俊英1 浅野明子2

所属機関: 1岩手医科大学医学部皮膚科学講座 2岩手医科大学歯学部第2補綴科学講座

ページ範囲:P.1011 - P.1013

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 59歳,女性の歯科金属冠除去により改善を示した肉芽腫性口唇炎の1例を報告する.下口唇から下顎にかけて硬結性腫脹を認め当科を受診.血中ACE,リゾチームは正常,ツ反(+),両側肺門リンパ節腫脹(BHL)はなかった.病理組織所見では真皮全層に主に類上皮細胞,リンパ球よりなる非乾酪性肉芽腫を認めた.口腔内に多数の金属冠と根尖病巣を有したことから,金属パッチテストを施行し,Ni, Zn, Crに陽性を示した.金属パッチテスト陽性の金属冠を除去したところ,約1か月後より下顎腫脹の軽快をみた.本例では金属アレルギーが本症の発症に関与していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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