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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

症例報告

特異な臨床像を呈したvesicular pemphigoid—血漿交換療法施行例

著者: 岸本和裕1 尾山徳孝1 岩月啓氏1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1014 - P.1016

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 55歳,男性.約3か月前より背部に瘙痒を伴う皮疹が出現し,徐々に全身に拡大した.Duhring疱疹状皮膚炎様の皮疹を呈し,病理組織学的に表皮下水疱,好酸球浸潤がみられた.蛍光抗体直接法では表皮真皮境界部にIgG, C3の線状沈着を,1mol/l NaCl処理正常ヒト皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では表皮側にIgG, C3の沈着を認めた.免疫ブロット法では患者血清は表皮抽出液の230kD, 180kD蛋白のみだけでなく,210kD付近の蛋白とも反応した.また,経過中一過性に手背,足背の水疱の治癒した部位に一致して過角化を伴う乳頭腫状の局面を認め,乾癬様の組織像を呈した.特異な臨床像を呈したvesicular pemphigoidと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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