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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

症例報告

神経線維腫症2に合併したmalignant schwannomaの1例

著者: 松尾光馬1 谷戸克己1 澤田俊一1 本田まりこ1 新村眞人1 青木照明2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2東京慈恵会医科大学外科学第2講座

ページ範囲:P.1055 - P.1058

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 21歳,女性.患者の父親は皮膚神経線維腫の切除歴があること,カフェオレ斑が認められたとのことよりRecklinghausen病と診断されていたが,第8脳神経より生じた腫瘍で死亡しているため神経線維腫症2であったと推察された.患者皮膚には神経鞘腫が,頭部MRIでは両側聴神経腫瘍がみられた.さらに初診の約半年前から臍右下方に手拳大の圧痛を伴う弾性硬の腫瘤を触知するようになった.腫瘍の割面は全体的に黄色調であり,中心部は壊死に陥り嚢腫状を呈していた.HE染色像では,クロマチンに富んだ紡錘形の核を有する腫瘍細胞が密に増殖し,ところどころに束状配列を呈していた.また核の大小不同がみられ,S−100蛋白染色は陽性であった.以上のことより摘出腫瘤をmalignant schwannomaと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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