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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

治療

アテロコラーゲンスポンジを使用した糖尿病性壊疽の治療

著者: 松原きみ子1 磯田憲一1 西口健1 山田詠剛1 水谷仁1 鈴木啓之2 田川新生2 谷奥卓郎3

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学講座 2三重県立志摩病院内科 3谷奥医院

ページ範囲:P.1063 - P.1065

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 85歳,女性.2000年1月,右第5趾外側に15×12mmの腱および中節骨に達する潰瘍を形成.足関節上腕動脈血圧比(API)0.94,空腹時血糖221mg/dl, HbA1c 9.1%,尿糖6.82g/日.動脈造影では右膝下動脈以下に閉塞性動脈硬化症(ASO)あり.血糖コントロールとプロスタグランジンE1製剤の静脈内投与にて潰瘍は約6週間で肉芽を形成し,プロスタンディン軟膏®を外用するが,その後8週間潰瘍は縮小せず上皮化もしなかった.アテロコラーゲンスポンジ(ペルナック®)を貼付したところ,潰瘍が収縮を開始し8週間で瘢痕治癒した.1年後の現在,再発をみない.糖尿病患者の皮膚潰瘍では,線維芽細胞のコラーゲン産生やコラゲナーゼ活性が低下しているために創収縮が遅延していると考えた.本法は従来の植皮母床としての肉芽形成の目的ではなく,コラーゲンマトリックス形成による創収縮を図るという新しい使用法と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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