icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻2号

2001年02月発行

臨床統計

アトピー性皮膚炎の診療に対する患者の認識についてのアンケート調査(第1報)

著者: 川島眞1 宮地良樹2 中川秀己3 飯塚一4 伊藤雅章5 塩原哲夫6 島田眞路7 瀧川雅浩8 竹原和彦9 橋本公二10 古江増隆11

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2京都大学大学院医学研究科皮膚病態学 3自治医科大学皮膚科学教室 4旭川医科大学皮膚科学教室 5新潟大学医学部皮膚科学教室 6杏林大学医学部皮膚科学教室 7山梨医科大学皮膚科学教室 8浜松医科大学皮膚科学教室 9金沢大学医学部皮膚科学教室 10愛媛大学医学部皮膚科学教室 11九州大学大学院医学研究院皮膚科学

ページ範囲:P.113 - P.119

文献概要

 全国11大学を初診したアトピー性皮膚炎患者530例に対し,アンケート調査を実施し,その集計解析結果から次の知見を得た.78%の患者が病院を変えた経験があり,理由としてその約2/3は治療法,医療側の対応に対する不満を挙げている.その結果として35%の患者が種々の民間療法を取り入れ,いずれの療法でも20%程度の患者が改善をみたのみで,時間的にも金銭的にも患者に負担を強いている.また掻破が症状の悪化につながることは明らかだが,くせで知らないうちに掻くことがあるという患者が40%にも達していた.ステロイド外用薬に対する誤解も多かったが,その効果と副作用について説明を十分に受けた患者では,納得したら使用してもよいと考えている割合が高かった.また抗アレルギー/抗ヒスタミン薬の効果も約半数は実感していた.以上より,患者との対話を重視してスタンダードな治療を進めていく努力を,皮膚科医は重ねることが大切であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら