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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻2号

2001年02月発行

文献概要

今月の症例

Löffler症候群を合併したcreeping eruption

著者: 木村佳史1 山上淳1 木村俊次1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.120 - P.122

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 症例は25歳,男性.1999年5月マレーシアを旅行中,両足底に紅色丘疹が出現,漸次拡大し,不規則な蛇行状線状丘疹となった.生食の既往なし.2週間後より発熱と咳嗽が出現し,胸部X線上,両側肺野に浸潤影を認めた.末梢血では好酸球が22.5%と増加,生検にてブラジル鉤虫の幼虫と思われる虫体を表皮内に認め,幼虫が移動した跡と思われる部位に好酸球の浸潤を伴う表皮内水疱を認めた.チアベンダゾールを6日間投与したところ,まもなく皮疹の伸長は停止,肺炎症状は約1か月後にはほぼ消失した.これらより,Löffler症候群を合併したブラジル鉤虫幼虫によるcreeping eruptionと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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