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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻2号

2001年02月発行

症例報告

Pacemaker dermatitisの1例

著者: 石橋睦子1 水嶋淳一1 小林里実1 檜垣祐子1 川島眞1 野崎幹弘2 庄田守男3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学形成外科学教室 3附属日本心臓血管研究所内科学教室

ページ範囲:P.123 - P.126

文献概要

 72歳,女性.ペースメーカー植え込み術施行4か月後より,その被覆皮膚に紅斑が出現した.一部が結節状となり中央は潰瘍化し排膿がみられた.抗生剤に反応せず,膿の各種培養は陰性で,pacemaker dermatitisと診断した.その後潰瘍が拡大しペースメーカー本体が自然に露出したため本体を摘出し壊死組織を除去,残存するリード線をゴアテックス®で被覆したが再燃した.リード線をさらに短く切除しその断端を筋層内に埋没したが軽快せず,最終的にリード線をすべて抜去したところ治癒した.各種金属アレルゲンをはじめ,ペースメーカー本体,リード線のシリコン被膜を用いた貼布試験はすべて陰性であった.発症機序として本症例では物理的な組織の圧迫によるpressure dermatitisを考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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