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症例報告
小柴胡湯による蕁麻疹型薬疹の1例
著者: 斎藤京1 甲斐美咲1
所属機関: 1佐野厚生総合病院皮膚科
ページ範囲:P.127 - P.129
文献購入ページに移動 32歳,女性.C型慢性肝炎に対し小柴胡湯服用を開始し11日後に蕁麻疹を発症した.患者は以前小柴胡湯と五苓散の合方である柴苓湯で蕁麻疹を生じた既往があることから蕁麻疹型薬疹を疑い精査したところ,内服誘発試験と皮疹最盛期の採血による薬剤リンパ球幼若化試験(DLST)において陽性であった.小柴胡湯の副作用は間質性肺炎が内科領域で注目されているが,皮膚科領域の報告は少なく,蕁麻疹型薬疹はさらに稀である.自験例は寛解期の採血でDLSTを再検したところ陰性化していた.遅延型アレルギー反応との関連が強いDLSTを蕁麻疹型薬疹に行うことの意義やDLSTをどの病期に行うのがよいのかは現在確立されていない.しかし自験例の観察および文献的検討では蕁麻疹型薬疹においてDLSTを行うこと,皮疹出現時採血のDLSTや寛解期の再検は有意義と考えた.
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