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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻2号

2001年02月発行

症例報告

肺に浸潤を認めた全身性形質細胞増多症

著者: 本橋尚子1 湊原一哉1 音山和宣1 佐藤貴浩1 横関博雄1 西岡清1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.141 - P.144

文献概要

 35歳,男性.1989年に体幹に小豆大の暗紫褐色類円形結節が出現した.病理学的には真皮上層および付属器周囲の形質細胞を主体とする細胞浸潤.表在リンパ節腫脹,高γグロブリン血症,脾腫より全身性形質細胞増多症と診断した.10年間皮膚病変に対する治療のみで経過観察していたが,1998年に肺野の浸潤影の増強を認め,経気管支肺生検にて形質細胞の浸潤,リンパ濾胞の形成がみられ,リンパ球性間質性肺炎と診断された.全身性形質細胞増多症,および同一疾患と考えられる多中心型Castleman病,idiopathic plasmacytic lymphadenopathy with polyclonal hypergammaglobulinemiaは良性に慢性経過することが多いとされているが,リンパ球性間質性肺炎は進行性であるため合併の有無およびその程度につき注意深い観察が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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