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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻3号

2001年03月発行

文献概要

今月の症例

多発性脂漏性角化症を合併したlymphomatoid papulosisの1例

著者: 小芦雄介1 苅谷清徳1 小林桂子1 辻卓夫1 守宣男2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室 2皮膚科守医院

ページ範囲:P.212 - P.214

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 42歳,女性.中学生頃から四肢,体幹,顔面に自覚症状を欠く紅色丘疹が散在性に出現し,新生,消退を繰り返し,同時期から体幹を中心に黒褐色丘疹が出現し始め,徐々に増加してきた.黒褐色丘疹の組織所見は脂漏性角化症で,紅色丘疹は真皮上層に大型異型リンパ球,好酸球,好中球,リンパ球が密に浸潤し,大型異型細胞はCD30陽性であるためlymphomatoid papulosisと診断した.紅色丘疹の遺伝子解析ではTCRCβ1,TCR Jγに再構成は認めず,Epstein-Barrウイルスは既往感染,HTLV−1抗体,HIV抗体は陰性であった.多発性脂漏性角化症とlymphomatoid papulosisが同時に発症していることから,両者の間に何か因果関係があるのではないかと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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