文献詳細
症例報告
文献概要
1999年夏に58歳女性と71歳女性の播種状型あるいは汗疹型皮膚カンジダ症を経験した.2例とも頸部から体幹,上腕の被覆部位に薄い膜状の鱗屑と一部小膿疱を伴う直径1〜3mmの紅色丘疹が急激に多発した.いずれも検鏡で仮性菌糸と出芽胞子がみられた.成書では乳児の皮膚カンジダ症の一型として播種状型あるいは汗疹型皮膚カンジダ症の記載があるが,成人例の記載や報告は近年ほとんどなく稀な病型と思われる.2例とも免疫低下を考えさせる基礎疾患や検査所見はなく,また,先行する分芽菌性間擦疹も認めなかった.1999年夏の猛暑とそれによる多汗,多湿が発症の誘因になったものと推察した.
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