icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻3号

2001年03月発行

症例報告

塩酸ミノサイクリンによるhypersensitivity syndromeの1例

著者: 慶田朋子1 神田憲子1 石黒直子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.230 - P.232

文献概要

 76歳,男性の塩酸ミノサイクリンによるhypersensitivity syndromeの1例を報告した.慢性腎不全にて当院内科に入院中に,肺炎に対して24日間塩酸ミノサイクリンの100mg/日の点滴が施行され,症状改善により中止した2日後より躯幹,四肢に紅斑が出現した.初診時の検査所見では貧血と好酸球数の増加,肝障害を認めた.抗アレルギー剤の内服,ステロイド軟膏の外用にて皮疹は軽快傾向を示したが,鼠径部のリンパ節腫脹と発熱に対して塩酸ミノサイクリンが再投与されたところ,紅斑と丘疹の再燃を認めた.病理組織像は苔癬型組織反応を呈した.発症約9週目のヒトヘルペスウイルス6IgG抗体価は40倍から160倍に上昇した.皮疹は軽快増悪を繰り返し,全経過約3か月で色素沈着を残して治癒した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら