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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

症例報告

Nasal natural killer cell lymphomaの1例

著者: 角田美英1 山崎正視1 住吉孝二1 瀧本玲子1 村山功子1 高森建二1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科学教室

ページ範囲:P.350 - P.352

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 65歳,男性.1998年2月頃より,鼻閉感を生じ,同時期より右乳房に腫瘤が生じた.さらに両下肢にも腫瘤が生じ,一部は潰瘍化した.皮膚生検にて,真皮全層に小型から中型でくびれた核を有する大小不同の異型リンパ球様細胞を認めた.これらの細胞は,免疫組織学的に,CD2,CD56,HLA-DRが陽性,生検時のメイ・ギムザ染色のスタンプ標本にて,アズール顆粒を有していた.TCRの遺伝子再構成は認めなかった.以上より,本症例をnatural killer cell lympho—maと診断した.皮膚を検体としたPCR法にてEpstein-Barrウイルスが検出された.腫瘍の病変は,頭部MRIにて副鼻腔から上咽頭に存在しており,頭蓋底への浸潤も否定できなかった.化学療法(CIIOP)2クール施行後,放射線療法も試みたが,治療に反応せず,永眠された.今回,改めてこの疾患の予後の悪さを認識させられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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