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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻4号

2001年04月発行

症例報告

Actinomyces israeliiによる胸部難治性瘻孔の1例

著者: 猿川麻衣子1 堀口大輔1 羽根田牧2 木村正2

所属機関: 1静岡市立静岡病院皮膚科 2静岡市立静岡病院形成外科

ページ範囲:P.362 - P.364

文献概要

 83歳,男性.1990年に施行された心臓手術の瘢痕部が1998年に発赤腫脹し,難治性潰瘍となり閉鎖術を施行したが,再び瘻孔を形成した.膿汁中に黄白色の顆粒を,また肉芽組織の生検で周囲を棍棒体で覆われた顆粒を認めたため放線菌感染症と診断した.胸部X線撮影像で左肺門部に腫瘤影を認め,胸部型放線菌症が術後瘢痕を通じて皮下に達したものと考えた.PCR法にてActinomyces israeliiを同定した.ペニシリンG,セブメタゾール,ミノサイクリンの投与による胸部陰影の改善に伴い瘻孔も閉鎖し軽快した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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