icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻5号

2001年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001 1 最近話題の皮膚疾患

自己免疫性蕁麻疹

著者: 新見直正1 秀道広2

所属機関: 1広島市立安佐市民病院皮膚科 2広島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.11 - P.15

文献購入ページに移動
 慢性尋麻疹の原因は不明のことが多いといわれてきたが,近年多くの慢性蕁麻疹患者血清中に,IgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体が存在し,肥満細胞を直接活性化して脱顆粒を起こすことが明らかになってきた.最近それらの知見を背景に,既存の治療法に抵抗性の蕁麻疹に対して新たな治療法が試みられ,その有効性も報告されている.しかし免疫学的手法を用いた検査では,結合活性を有するがヒスタミン遊離能を持たない自己抗体が検出され,かつそのような抗体は他の多くの自己免疫疾患や健常人血清中にもみられることが明らかになってきた.臨床的,血液学的,病理組織学的に,自己抗体による蕁麻疹は,それ以外の蕁麻疹と比べて全体としての傾向はあるものの,個々の症例を判別し得るほどの明らかな違いはみられず,その鑑別は容易ではない.今後より簡便で,特異性の高い検査法の開発が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?