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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001 1 最近話題の皮膚疾患
チャドクガ皮膚炎の発症機序
著者: 夏秋優1
所属機関: 1兵庫医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.21 - P.24
文献購入ページに移動 毛虫皮膚炎の既往のある被験者1名にチャドクガの幼虫の毒針毛による皮膚炎を誘発した.その結果,毒針毛との接触後15〜30分で紅斑を伴う膨疹が出現し,24〜48時間後には浸潤を伴う紅斑が著明となった.次に,同じ被験者に毒針毛から抽出した毒素による皮内テストを行ったところ,同様の皮膚反応が認められた.さらにその毒素をゲル濾過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーで8つの分画(1〜8)に分離し,それぞれによる皮内テストを行ったところ,分画3で即時型反応と遅延型反応が出現した.次に健康志願者10名に対して分画3で皮内テストを行ったところ,即時型反応のみが出現する者(1名),遅延型反応のみが出現する者(5名),両者が出現する者(1名),両者共に出現しない者(3名)が認められた.これらの結果から,チャドクガによる皮膚炎は毒針毛の毒素成分に対するアレルギー反応が関与して生じるものと考えられた.
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