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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻5号

2001年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001

2 皮膚疾患の病態

口腔アレルギー症候群(OAS)と花粉

著者: 加藤雪彦1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.33 - P.36

文献概要

 ヨーロッパでは,シラカンバ花粉症患者におけるリンゴなどの果物による過敏症がOASとして提唱されてきた.OASのアンケート調査を行い,また,過去の本邦報告例をまとめた.アンケート調査の結果,AD群,喘息群,湿疹・皮膚炎群におけるOASの頻度は,AD群,喘息群ともに30%弱,湿疹・皮膚炎群では13%と有意に少なかった.OASは女性に多いとされているが,今回の検討ではAD群で女性に多い傾向を認めたが,他2群では差を認めなかった.また,花粉症の合併率はAD群で有意差を持ってOAS有病群に高かったが,他2群に有意差を認めなかった.ラテックスアレルギーはすべての群で有意差を認めなかった.原因食物はAD群の4割以上にメロン,モモのOASを認めるのに対し,喘息群では23.5%とサバが最も多く,メロン,キウイと続く.一方,湿疹・皮膚炎群では特に多い食物はなく,果物,甲殻類,魚に均等に認められた.OASの本邦報告例45例中39例(86%)が女性で平均年齢29.2歳であった.抗原食物として,リンゴは44%の頻度で抗原となり,モモ,メロン,ナシと続く.抗原の交叉性,治療についても若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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