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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻5号

2001年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001

2 皮膚疾患の病態

一酸化窒素(NO)と皮膚疾患

著者: 山岡淳一1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.38 - P.42

文献概要

 一酸化窒素(nitric oxide;NO)が皮膚疾患において果たす役割について概説した.乾癬においてはinducible nitric oxide synthase(iNOS)発現,NO大量産生がみられる.このこととIL−8 receptor,発現,Th 1リンパ球の優位,表皮角化細胞の分化および増殖との関連について言及した.接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎においてもiNOS発現,NO大量産生がみられている.さらにマウス接触過敏反応がnitric oxide synthase(NOS)inhibitorにより抑制されたことから,この病態成立にNOが関与すると考えられる.紫外線による紅斑形成や色素沈着にもNOを介する経路があることが判明している.また,創傷治癒の各局面においてもNOは重要な役割を果たしている.例えば,血管新生・表皮角化細胞増殖・コラーゲン沈着等がNOによる制御を受けている.今後さらに皮膚疾患・病態におけるNOが果たす役割が解明されれば,将来的にはiNOS specific in—hibitor等の外用による疾患治療が可能になるかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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