文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001
3 新しい検査法と診断法
文献概要
痒みは数多くの皮膚疾患に伴う主要な症状であるが,個人的な経験に基づく主観的な感覚であるために客観的に評価することは困難である.痒みの程度を臨床的に把握するために,患者の自己評価に基づいた様々な尺度が用いられている.また痒みに伴う掻き動作を測定して痒みの程度を間接的に評価する方法がある.昼間は日常の活動や公衆の面前であるなどの社会的な因子による修飾を受けるので,夜間就寝中の掻き動作の測定が行われている.筆者らは掻破の非侵襲的な計測法として,赤外線ビデオカメラやwrist activ—ity monitorの有用性を検討した.赤外線ビデオ法では確実に掻き動作をとらえることができるが解析が煩雑であるという点,wrist activity monitorでは掻き動作のみを選択して測定できない点が短所として挙げられるが,掻破の客観的な計測値が得られ,痒み治療の効果判定への応用が期待される.
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