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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻6号

2001年05月発行

文献概要

症例報告

著明な水疱形成を認めた持久性隆起性紅斑の1例

著者: 山上淳1 布袋祐子1 谷川瑛子1 天谷雅行1 田中勝1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.396 - P.398

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 著明な水疱形成を認めた持久性隆起性紅斑(erythema elevatum diutinum;EED)の1例を報告した.症例は46歳女性,臨床的にEEDに比較的典型と思われる浸潤性紅斑,瘢痕性局面を認めた他,背部・大腿を中心に米粒大から小豆大の小水疱が花弁状に配列する暗紅褐色の紅斑および緊満性水疱を多発性に認め,一見して自己免疫性水疱症を疑わせる臨床像を呈した.蛍光抗体直接法・間接法は陰性.病理組織学的には真皮にleukocytoclastic vasculitisを認めた.EEDの診断のもとジアフェニルスルホン75mg/日の内服を開始し,皮疹は著明に改善した.EEDの患者で多彩な皮疹がみられることはよく知られているが,自験例のごとく広範囲に水疱形成を認め,また小水疱が花弁状に配列した紅斑を認めた報告例は比較的稀であると思われ,若干の考察を加えてここに報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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