文献詳細
症例報告
文献概要
46歳,男性.左頬部の弾性硬,淡紅色で透明感のある半球状腫瘍が3年前頃に発症し増大してきた.病理組織学的に線維性の隔壁で区画された粘液様物質があり,その各区画に島状に腫瘍細胞巣が浮遊するがごとくの特徴的な所見が認められた.各種特殊染色および全身検索を行い他臓器癌の皮膚転移は否定的であり,mucinous car—cinoma of the skinと診断した.本症がエクリン,アポクリンどちらの汗腺由来かについてはいまだ明確な結論は出ていないが,自験例の腫瘍細胞はS−100一部陽性,gross cystic disease fluid protein 15(GCDFP15)陰性であり,エクリン汗腺由来を思わせた.
掲載誌情報