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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻7号

2001年06月発行

原著

アトピー性皮膚炎患者の嗜癖的掻破行動の自覚と症状改善につながるスクラッチ日記の有用性

著者: 有川順子1 檜垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.471 - P.477

文献概要

 アトピー性皮膚炎(AD)患者には痒み刺激によらず,ストレスからの逃避行動としての性格を持つ習慣的な掻破があり,治療の出発点として患者自身がこの行動を自覚することが重要である.今回,入院および外来通院中のAD患者にステロイド外用剤をはじめとした標準的治療と並行して,スクラッチ日記(掻いた時刻,部位,痒みの有無,痒みの刺激によらない掻破のきっかけ,状況)を患者自身が記録することで嗜癖的掻破行動の自覚を促し,行動異常としての掻破を抽出し検討した.その結果,27人の患者が記録したスクラッチ日記にみられた全掻破2,566回のうち769回,30%が痒み刺激によらない掻破で,その掻破の部位は頭頸部,特に顔・耳に多かった.さらに日記を記載した27人中24人,89%で掻破の自覚ができ,皮疹の改善を認めた.また,そのうち21人で掻破の減少が明らかにみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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