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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻7号

2001年06月発行

文献概要

症例報告

Nonepisodic angioedema associated with eosinophiliaの2例

著者: 川上麻弥子1 秋山真志1 松尾聿朗1

所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科学教室

ページ範囲:P.492 - P.494

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 28歳および34歳の女性の両下腿に生じたnonepisodic angioedema associated with eosinophilia(以下non-EAE)の2例を報告する.症例1は両手関節,両下腿に,また症例2は両下腿から両足背にかけて浮腫を認めた.2例とも浮腫以外に,皮疹および全身症状を認めなかった.末梢血白血球数増多,好酸球増多以外,末梢血,生化学,尿には特に異常所見なく,血清IgG,IgMも正常であった.病理組織学的には,真皮全層の血管周囲に若干の好酸球を混じる炎症性細胞浸潤を認め,皮下脂肪織内にも好酸球,リンパ球,組織球の浸潤がみられ,一部に肉芽腫様の病変も認めた.無治療にて経過を観察したところ,両下腿などの浮腫は3週間から1か月後には完全に消失し,以後,再発を認めなかった.non—EAEは,1998年,Chikamaらによって提唱された疾患概念であり,EAEとは異なり,再発を認めず,一過性生の浮腫で終わり,発熱,体重増加を認めないのが特徴である.Chikamaらの症例同様,自験例も若年女性であり,本邦若年女性に多くみられる疾患である可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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