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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻7号

2001年06月発行

症例報告

妊娠中に発症した落葉状天疱瘡の1例

著者: 斎藤京1 甲斐美咲1 天谷雅行2

所属機関: 1佐野厚生総合病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.495 - P.497

文献概要

 25歳,女性.第2子の妊娠中期から顔面,躯幹に水疱性紅斑を生じ,出産後に皮疹が増悪した.蛍光抗体直接法で表皮細胞間にIgG,C3の沈着を浅層優位に認め,蛍光抗体間接法およびELISA法を施行し,血中抗Dsg1抗体の陽性所見を得て落葉状天疱瘡(以下PF)と診断した.治療にプレドニゾロンを使用し有効.妊娠中発症のPFは過去の報告を検索したが極めて稀である.今回,自験例の出産した新生児には,neonatal pemphigus(以下NP)は生じていなかった.過去のNPの報告はほとんどが尋常性天疱瘡であるが,その理由として新生児の皮膚にはDsg3が表皮浅層にも存在するため,PFの母親から抗Dsg1抗体が移行しても水疱を形成せず,NPを発症しないことが近年報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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