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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻7号

2001年06月発行

文献概要

症例報告

Vörner型先天性掌蹠角化症の1家系および本邦報告例の統計的観察

著者: 平末麻唯子1 太田俊明1 野村和夫1 橋本功1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.501 - P.504

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 症例1は29歳,男性.家系内に同症多数あり.新生児期より両掌蹠に著明な角質増殖あり,辺縁に帯状の発赤を伴う.足底部皮膚の検索で,組織学的に顆粒変性像,電顕的にトノフィラメントの異常凝集像がみられた.症例2は症例1の娘で1歳.生後2〜3週目より掌蹠の皮膚が剥離しやすいことに気づき,徐々に色調も黄色に変化し,生後4か月目には症例1と同症状となった.以上よりVörner型先天性掌蹠角化症の家系例と診断した.1967〜1997年までの本症の本邦報告27家系36例の統計的観察では,家系内多発例は16家系25例,孤発例は10例,記載なしが1例,性比は男:女=1:1.06であった.11例に種々の程度の掌蹠外皮疹がみられ,合併症としては悪性黒色腫,指趾発育不全,肺結核,水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症が各1例にみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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