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症例報告
脈管の著明な増生,拡張を伴ったverruciform xanthomaの1例
著者: 渡辺敢1 伊野法秋1
所属機関: 1下都賀総合病院皮膚科
ページ範囲:P.521 - P.523
文献購入ページに移動 74歳,男性.肝硬変,肝細胞癌,胃癌,食道静脈瘤,糖尿病の既往がある.70歳頃より陰嚢の小結節に気づいており,徐々に増大したため当科を受診した.陰嚢右側に大きさ2.8×2.0×2.5cm,弾性硬で表面顆粒状の赤色有茎性腫瘤を認め,局所麻酔下に全摘術を実施した.病理組織学的に,表皮,真皮の乳頭状増殖と,真皮乳頭層にズダンIII陽性の泡沫細胞浸潤,脈管の著明な増生,拡張を認め,verruciform xanthomaと診断した.血清中の脂質は正常範囲内だった.本腫瘍の病因につき,被角血管腫や後天性リンパ管腫との関係も含め,血流・リンパ流のうっ滞や脈管拡張という面から考察した.
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