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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻8号

2001年07月発行

症例報告

急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の治療中に発症したDDS症候群の1例

著者: 吉井美香1 勝田潤子1 土岐真理子1 荻野篤彦1

所属機関: 1国立京都病院皮膚科

ページ範囲:P.589 - P.592

文献概要

 23歳,男性.急性痘瘡状苔癬状粃糠疹にてDDS 75 mg/日の内服を始めたところ,40日後に発熱や全身倦怠感などの全身症状,顔面の浮腫,表在リンパ節腫脹,全身の瘙痒を伴う紅斑が出現し,肝機能異常を認めた.しかし,リンパ球や単核球の増加は認められず,異型リンパ球の出現はみられなかった.本症をDDS症候群と診断し,ステロイドの全身投与で加療したところ,紅斑は2週間ほどで消退し,同時に急性痘瘡状苔癬状粃糠疹も瘢痕を残して治癒した.肝機能異常も1か月ほどで改善した.DDS症候群の治癒後に発汗低下と眉毛および頭髪の脱毛を訴えたが,合併しているアトピー性皮膚炎の影響が大きいと考えた.DDSの副作用は多彩であるが,DDS症候群は本邦では自験例を含めて21例が報告されているに過ぎない.DDS症候群の疾患概念と本邦報告例について考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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