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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻8号

2001年07月発行

症例報告

トシル酸スプラタストが有効であった好酸球増多症候群の1例

著者: 栗原みどり1 宮崎達也1 大塚勤1 山蔭明生1 山崎雙次1 池野義彦2

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室 2獨協医科大学呼吸器アレルギー内科学教室

ページ範囲:P.611 - P.613

文献概要

 54歳,男性.1996年頃より早朝に喘鳴あり,ときに喘息発作をみた.1998年9月中旬より四肢に軽度の瘙痒を伴う米粒大から小児頭大の比較的境界明瞭な浸潤性紅斑が出現し,大腿伸側に網状皮斑が出現した.著明な好酸球増多,肝障害があった.血沈充進,CRP陽性.抗核抗体(+),IgE 1,888 U/ml, ECPは249μg/mlと著:明に上昇していた.胸部X線では右下肺野に浸潤影(+).肝・脾腫もあった.浮腫性紅斑部の組織所見は,真皮上層,血管周囲に好酸球,一部リンパ球を混じる島嶼状の細胞浸潤がみられた.毛細血管の拡張と内皮細胞の腫大がみられたが,フィブリノイド変性や血管壁の壊死像は認めなかった.肝生検では好酸球浸潤を伴った肝脂肪変性がみられた.好酸球増多症候群と診断し,トシル酸スプラタスト投与,3週間後ECP 28.5μg/ml,好酸球25%へ低下し,皮疹も色素沈着を残して軽快した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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