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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻8号

2001年07月発行

症例報告

Lipoblastomaの1例

著者: 川岸尚子1 伊藤康裕2 宮本和俊3 飯塚一2

所属機関: 1小林病院皮膚科 2旭川医科大学皮膚科学教室 3旭川医科大学外科学第1教室

ページ範囲:P.621 - P.622

文献概要

 1歳10か月の女児.初診の3か月前に右頸部および鎖骨下部に皮下腫瘤があるのを近医で指摘された.初診時,右頸部および鎖骨下部にそれぞれ直径3cmの比較的境界明瞭な軟らかく触れる皮下腫瘤を触知した.CT所見では腫瘤は連続しており,境界明瞭だが大部分の脂肪のden—sityの中にやや不均一な部位が混在していた.Liposarcomaも否定できなかったため,術中迅速診断を行い,lipoblastomaと診断し,摘出術を行った.組織学的には線維性隔壁を持つ明瞭な分葉構造を示し,種々の成熟段階の脂肪芽細胞が認められた.巨細胞や核の異型性は認められなかった.また,間質にムチンの沈着のみられる部位も存在した.術中迅速診断が診断に有用だったと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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