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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻8号

2001年07月発行

文献概要

症例報告

多彩な組織像を呈した有棘細胞癌の1例—細胞間接着分子発現の免疫組織化学的検討も含めて

著者: 斎藤昌孝1 河原由恵1 野中周子1 大畑恵之1 谷川瑛子1 天谷雅行1 田中勝1 清水宏1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.627 - P.630

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 70歳,男性の側頭部に生じた有棘細胞癌を報告する.角化傾向に乏しく,棘融解細胞,紡錘形細胞,ムチン沈着を混じ,多彩な組織像を呈していた.一部では内腔に腫瘍細胞や赤血球を容れる管腔様構造もみられ,血管肉腫も疑われたが,免疫組織化学染色にてサイトケラチンおよびビメンチン陽性,第VIII因子陰性,また電顕にてデスモゾームが認められたことより,有棘細胞癌と診断した.カドヘリンなど各種細胞問接着関連分子の発現について検討したところ,正常部表皮細胞に比べて腫瘍細胞では明らかに発現が低下していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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