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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻9号

2001年08月発行

文献概要

原著

抗リン脂質抗体陽性のSLE患者の臨床的検討

著者: 石黒直子1 石橋睦子1 山本由美1 有川順子1 川島眞1 内山真一郎2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学神経内科

ページ範囲:P.657 - P.664

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 当科通院中のSLE患者のうち,抗リン脂質抗体陽性者について検討を加えた。SLE患者12例中5例が抗リン脂質抗体陽性であり,頭痛を4例に,一過性黒内障と多発性単神経炎を各1例に認めたが,5例とも網状皮斑や潰瘍形成,血栓性静脈炎,肢端壊疽などの血栓症を思わせるような皮膚症状は認めなかった.検査所見では,血小板減少を2例に,血小板系と凝固系の活性化所見を各3例に認めた.また,MRIで脳梗塞が2例に見いだされた.以上より一過性黒内障を認めた1例と脳梗塞が確認された2例,血小板減少症と多発性単神経炎を認めた1例の計4例を抗リン脂質抗体症候群の合併と考えた.本疾患の基礎疾患として多いSLEでの抗リン脂質抗体の検索の必要性と,陽性例では十分な問診と経過観察のうえ,血小板・凝固系の検査,頭部MRI検査の結果を踏まえて,抗血栓療法を併用すべきことを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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