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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻9号

2001年08月発行

文献概要

今月の症例

著明なるいそうに伴って多発したvascular spiderの1例

著者: 沖田博1 大塚勤1 山蔭明生1 山崎雙次1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.671 - P.673

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 37歳,女性.約5年前から著明な体重減少を認め,神経性食欲不振症と考えられた.その頃より顔面・四肢・手掌・胸部にvascular spiderが多発してきた.検査上,貧血,血小板数低下,軽度肝機能障害,尿酸値高値,アミラーゼ高値,低蛋白血症を認めた.成長ホルモン(GH)高値,freeT3(FT3)低値であったが,血中プロゲステロン,エストラジオールは正常であった.組織学的所見では,真皮浅層に血管の増生・拡張を認め,その血管は1〜2層の内皮細胞によって構成された壁を持っていた.切除後,再発を認めていない.自験例は,神経性食欲不振症の著明なるいそうに伴って出現したvascular spiderの1例であるが,エストロゲン以外の血管増生因子がその発症にかかわっている可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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