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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻9号

2001年08月発行

文献概要

症例報告

切傷のある指で熱帯魚を扱い生じたMycobacterium marinumによるfish tank granulomaの1例

著者: 草刈良之1 原正啓1 川村真樹1 田上八朗1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野

ページ範囲:P.675 - P.677

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 手指から前腕にかけてリンパ行性に出現した皮膚非定型抗酸菌症の1例を報告する.症例は34歳,女性.約3か月前にガラスコップの破片で右手第2指を切り,その部が徐々に腫脹してきた.同時期には熱帯魚を飼育していた.初診時,右手第2指背に潰瘍を伴う紫紅色の結節を2か所認め,その組織所見は肉芽腫性の変化であった.約2週間後に,右前腕部に出現した同様の結節から穿刺して得た黄白色調の液を小川培地(25℃)にて培養した.4週間後に得られた単一のコロニーは,表面平滑,黄色調,光発色性陽性で,Mycobacterium marinumと同定された.ミノマイシン200mg/日,および携帯カイロによる温熱療法を約2か月間継続し,皮疹は徐々に消退した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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