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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻9号

2001年08月発行

文献概要

症例報告

パブロンS®中のマレイン酸カルビノキサミンによる角層下膿疱型薬疹の1例

著者: 前田知子1 中島武之1 宮島進1 岡田奈津子1

所属機関: 1大阪厚生年金病院皮膚科

ページ範囲:P.697 - P.699

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 市販薬パブロンS®により膿疱を伴う多形滲出性紅斑を呈し,成分パッチテストによってマレイン酸カルビノキサミンによる薬疹と診断した1例を報告する.患者は58歳,女性。風邪症状が長引き,パブロンS®を2週間以上内服していた.近医受診時,腹部は膿疱を伴い紅皮症状態であったという.当科初診時には肉眼的膿疱は消失していたが,病理組織学的に角層下膿疱が認められた.プレドニン30mg/日にて治療開始し,約10日で軽快した.退院後,原因薬剤検索の目的で,成分スクラッチパッチテストを行った.抗ヒスタミン作用を有するマレイン酸カルビノキサミンにより膿疱を伴う紅斑がパッチテスト部位に誘発され,同剤による薬疹と診断した.経皮吸収を高めたスクラッチパッチテストにより,ほぼ臨床像に近い皮疹が得られ,膿疱型薬疹の薬剤検索法として有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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