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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻9号

2001年08月発行

文献概要

症例報告

老人性血管腫様皮疹を呈したFabry病の1例

著者: 三浦龍司1 平井昭男1 右田友房2

所属機関: 1埼玉社会保険病院皮膚科 2埼玉社会保険病院電顕室

ページ範囲:P.722 - P.724

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 50歳,男性.生下時より全身の発汗低下があり,初診の約1か月前より四肢末梢のしびれ感と躯幹・両上腕の皮疹に気づき,当科を受診した.初診時,前胸部と両上腕に自覚症を欠く米粒大までの暗赤色調の光沢を有する丘疹が散在していた.組織学的に,真皮中層までの血管壁の菲薄化を伴う血管拡張像および皮下脂肪織内における血管平滑筋細胞と汗腺腺上皮細胞の空胞化を認めた.電顕的に,空胞化した細胞質内に約60A間隔の高電子密度のミエリン様物質を多数認め,Fabry病と診断した.発汗試験では,温熱発汗は正常で,ピロカルピン負荷により発汗低下を認めた.白血球中のα—galactosidase Aの値は,1.7nmol/mgP/hと低値を示した.発汗障害,末梢神経炎,軽度の蛋白尿を認め,老人性血管腫様皮疹を呈するFabry病の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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