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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科55巻9号

2001年08月発行

文献概要

治療

苺状血管腫に対する色素レーザー治療の効果とその限界

著者: 木下涼子1 安田浩1 旭正一1

所属機関: 1産業医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.733 - P.735

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 近年,血管腫に対する色素レーザー治療の有用性の報告がみられるようになってきたが,苺状血管腫の報告例は単純性血管腫に比べ少ない.そこで,苺状血管腫に対する色素レーザー治療の経験を報告する.症例は生後1〜7か月までの9例10部位,照射回数は1〜5回(平均2.9回),観察期間は2か月〜1年10か月であった.結果は9症例10部位のうち追跡できなかった1例を除いて,著効3例,改善4例,不変1例であった.今回,生後早期,つまり腫瘤形成前に照射を開始したものは,短い観察期間内に瘢痕を残さず消失,縮小の結果が得られた.一方,腫瘤形成後に照射を開始したものは,色調の消失はみられても,皮膚の萎縮,瘢痕が残った.よって,苺状血管腫に対しては遅くとも生後6か月以内に積極的に治療を開始するべきであり,さらには腫瘤型では扁平化と瘢痕の抑制には限界があり,レーザー治療中止時期の判断も重要になると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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